書評レビュー:『法哲学』瀧川裕英、宇佐美誠、大屋雄裕(有斐閣) 学部生向けテキスト

立教、京大、慶應で教鞭をとる現代法哲学の教授たちが共著で仕上げた法哲学テキスト

最終更新日:2018年3月15日

学部生向けの法哲学テキスト。

「本書は『欲張り』な教科書である。なぜなら、わかりやすくておもしろく、最新の研究成果を盛り込みながら、日本だけでなく国際的にも通用する標準的なテーマを厳選して書かれ(中略)マイケル・サンデルの後に書かれる教科書は、おもしろいものであることを求めら」はしがき

とあるように、小難しい学術書ではなく、読みやすいつくりになっている。
それでいて、内容は充実している。
学部生のレポート作成や試験対策として、1冊手元に置いておきたい。
3名の著者が各章を分担して執筆されているが、複数名著者の書籍に特有の読みにくさはなく、どの章をどの著者が執筆しているのかわからないくらい統一されている。

瀧川裕英、宇佐美誠、大屋雄裕『法哲学』(有斐閣、2014年)

私の評価 ★★★★★
ページ数 416頁
著者 瀧川裕英
宇佐美誠
大屋雄裕
出版社 有斐閣
出版年 2014年
出版社ページ 有斐閣『法哲学』詳細ページ
目次: 第1部 正義論
 Chapter 01 功利主義
 Chapter 02 正 義
 Chapter 03 自 由
 Chapter 04 平 等
 Chapter 05 権 利
 Chapter 06 正義論の最前線
第2部 法概念論
 Chapter 07 ルールとしての法
 Chapter 08 法の価値
 Chapter 09 法の権威
 Chapter 10 解釈としての法
 Chapter 11 批判理論
 Chapter 12 遵法義務
 Epilogue 法哲学の基礎理論
Amazon
価格 単行本:3,024円
Kindle:2,800円
紹介ページ(外部サイト) 紹介 法学教室の「Book Information」
書斎の窓

著者は3名とも、40代から50代前半の法哲学専門の研究者であり、立教(瀧川)、京大(宇佐見)、慶應(大屋)の法哲学教授である。

内容は「正義論」と「法概念論」に大きく分かれている。
各章では冒頭に、親しみやすい「CASE」を乗せていて、読者が自分の頭で考えるように仕向けている。
章を読み終わった後に、冒頭の「CASE」に戻り、自分なりの答えを考えて見て欲しい。

例えば「権利」の章では、「SF漫画『鉄腕アトム』の主人公アトムは、(中略)アトムに果たして権利があるのだろうか。そもそも、権利とは何か。誰がそれも持つのか。なぜ持つのか。」(123頁)とCASEをあげている。

学部生が読むことを強く意識して書かれているよう感じる。
3名とも研究活動とともに教鞭をとっており、日々学生と接する中で得た知見を生かして執筆されているように思う。
定番テキストである田中成明『現代法理学 』(有斐閣、2011年)などに取り組むひとつ前に読むテキストとして最適である。

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